西郡33観音霊場巡礼日誌 十一番 白華山円通院

1.同じ事をやりたがる 人には二種類いるようで、一度やったら同じ事をずっとやりたがるタイプと、飽きてすぐ別のことをやりたがるタイプ。浅田彰だったっけ、「パラノ」と「スキゾ」って分類していたな。わたしは若い頃は絶対スキゾタイプだったけど、今はパラノ化しつつあるかな。巡礼も一回目と同じように同じようにと行動しているみたいです。まあ、同行者と記憶を頼りに歩いていると同じ行動パターンになりますわな。前回来たときは近くの神部神社(なかなか立派な神社です。)の参道の脇に車を駐め、神社にまずお参りして、それからどんど焼き小正月のお祭りの準備をしている広場の横を通ってお参りしたのです。今回もお祭りの準備はしていなかったけれど、同じパターンで行きました。ところがなんか変?

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神社の駐車場に車を駐めました。

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神部神社

2.ああ勘違い そうそう、何回か前のブログで、日蓮宗霊場はないと書きましたが、前回お参りしたときに、「あっ、ここ日蓮宗だ。日蓮宗の札所もあるんだ。」と思った記憶があるのです。それは本堂の正面にある日蓮宗の寺紋を見たからで、そこには「井桁に橘」が描かれていました。写真は遠いからわかりづらいかもしれませんが外郭の井桁はわかるでしょう。

 でも、今回「甲斐国誌」寺社部を当たって日蓮宗の寺はないことを確認しています。なんかの記憶違いかなあと歩を進めると境内に御祖師様の立像が建っているではないですか。このお寺には山号の扁額や寺号の石塔がないので勝手に思い込んで円通院と決めていたのですね。掲示板の所に妙遠寺と書いてありました。違う寺じゃん!じゃあ前回結願しなかったって事?じゃあどうしてあの時の思いは叶ったの?

 深いことは考えないようにしましょう。だって地図上はすごく近いんだから。今回は本物に行きますよ。ということで仕切り直し、円通院を目指します。

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ああ勘違い!

3.ところがところが その距離直線で100メートルちょっと、必殺お墓探しのメソッドででばっちり。木々も繁っているだろうし。ところがところが全然見つかりません。こんなはずじゃないと焦っても、ないものはない!途方に暮れていると近くの民家に人影があったので思い切って聞いてみました。おじさんが(おじさんと言ってもわたしより若いかもしれない。わたしも結構なおじさんだ。)「ああ、そこに木が繁っているでしょう。そこにありますよ。」と教えてくださいました。こういうことは地元の方に聞くに限ります。

 でも、行ってみるとそれこそ三坪ほどの四角い建物。よく、昔、子供のために庭に建ててあげた離れの勉強部屋のプレハブの小屋みたいです。この形容、わたし達の世代にはぴんとくるはずですが・・・そこが不良のたまり場になって煙草吸っていたりしたんだよね。ちょっとお寺って感じはしません。

 ところが、南に数基のお墓があって、「白華山」「円通院」と書かれた石塔があります。わりと新しい。でも入り口の表示なら向きが逆だよね。とにかくありました!合掌!

 それでもなお疑わしくて、アルミサッシの引き戸を開けると、仏壇がありました。法要、供養ができそうです。小さいながらどなたかがしっかり管理はなさっているのでしょう。こういうお堂ちょっと好きです。

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確かにここだ。でもお墓に向かって山号寺号が書かれている。本堂の反対側だな。

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ちょっとこれ本当に本堂?だじゃれじゃないよ。っていうくらいつつましい堂宇。

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鍵がかかっていませんでした.中を拝見しました。

4.実はすごい このお寺のご本尊は「甲斐国誌」では曰不見観音と書いてあるのですが、これは誤植で、日不見(ひみず)観音というようです。(曰と日は別字です。)スマホで曰不見観音と検索すると不見観音だけ反応して日不見観音を示してくれます。本当にスマホは便利。そして導いてくれた先は南アルプス市教育委員会のブログ、「文化財Mナビ」ではここの本尊は、十一面観音で脇侍に毘沙門天不動明王を控えさせているそうですが、現在本寺の隆円寺の安置されいるようです。市の指定文化財だそうです。平安時代の木造仏だそうで「秘仏」とは滅多に開帳しない仏様らしく、33年に一度開帳していたようです。普段日の目を見ないなら「日不見観音」なのでしょう。かつてはご開帳に日には多くの信者が集ってきたのでしょう。ご開帳は今でもありますよね。かつては小さいながらも秘仏を納めた大切なお寺だったのですね。

 円通院もすごいが円通院や慶昌院のご本尊を受け入れている隆円寺も大きなと寺だなと思います。

 今回は、自分の粗忽さもあってドラマチックな部分もあったけど、寒くて手間取ってトイレがつらかった。