西郡33観音霊場巡礼日誌 二十八番 上井山龍泉院

1.初冬の巨摩野 南に向かって歩く。右手には中部横断自動車道の高架橋が延々と延びて巨摩野を横切っている。その向こうには櫛形山がかまぼこ状にのっそりと座る。なるほど櫛の形だ。縦に通る谷筋が櫛の歯を連想させる。鳳凰三山や前衛の山々の向こうに雪をいただいた北岳間ノ岳が見える。なるほど白根(白峰)と呼ぶにふさわしい。このあたりは柿畑が多い。甲斐犬だろうか見知らぬわたしたちを見て盛んに吠え立てる。雀や他の野の鳥も元気にさえずっている。間の抜けたようなカラスの鳴き声も時折聞こえる。薄雲もすっかり消えてしっかりした日差しに少し汗ばむ。

2.庭のきれいなお寺 上井山龍泉院はコンパクトなお寺だ。しかし、そう古く建てられたものではなさそうでコンクリートの基礎にはスロープがついている。柱の木も白く新しい。庭木もよく手入れされていて、松などは真横に枝が五メートルいや十メートル以上は伸びている。どうと言うことはないのだが、ほっこりした気分になって緩やかな時間が流れていく。
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