西郡33観音霊場巡礼日誌 二十六番 甲養山真豊院

1.北風はきついけれど 忙しをしていて久々の巡礼。年の瀬の十二月二十七日、とても晴れていて日差しは強いのですが、車から降りると甲府盆地名物の八ヶ岳颪が容赦なく吹き付け、体感温度は下がります。前回無量寺に車を駐めてきたときに、人しか通れない舗装のない道を通ってきたのを覚えていたので、甲西中学校西の若宮八幡宮の横の広い道に停車して訪ねました。

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まだ十二月だというのに梅が咲いていました。

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2.梅が咲いていた 甲養山真豊院。南アルプス市教育委員会からいただいた資料では新豊院となっていました。住所は大師となっています。大師は弘法大師にちなんだ地名でしょう。実際の字は古市場です。大師と古市場は隣接していてその境目あたり。甲養山を甲陽山と書いている資料もありました。

 人家の間の小径を入っていくと小さなお堂が見えてきました。(小径と言っても轍の跡があるから軽トラックは入るのかな。)お堂の前には青々とした松と、梅が二本。梅は花をつけていました。梅だよね、それとも桜?桜なら秋に咲いたものの咲き残り。8わたしの家の近くにループ橋という高さを稼ぐために一周半ほど円を描く橋がありまして、その円の中が公園になっているのですが、そこの桜はよく秋に花を咲かせます。春ほどには先ほころびませんが、それなりに花をつけるのです。日蓮聖人が入滅した十月(太陽暦なら十一月)に時ならぬ桜が一斉に咲いたと伝えられています。それで身延山では日蓮入寂の日、十月十三日(現在ではそれに直近の土曜日)に桜を模した万灯行列を参道で行う「お会式」が開催されます。季節外れに咲く花を「狂い咲き」と言いますが、桜が秋に咲くことは結構ある。東京農業大学のHPによると原産地ネパールの秋に咲く桜への先祖返りではないかということでした。

 梅だとしたら、梅は春真っ先に咲く花ですから、わたしも実家の梅畑で正月に咲いてる梅は見たことがあります。お正月の盆栽にも見かけます。「一陽来復」という熟語があります。「冬来たりなば春遠からじ。」などともいいます。つらい時期を通り抜ければ必ずその先にはいいときが来ますよ、という意味ですが、年齢を重ねると人生ってそうかもなあと思えてきます。いいことのほうが圧倒的に少ない木はしますが、それでも時々報われる。ささやかなご褒美が次の生きる糧になる、なんてね。

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正面から

3.真豊院 加賀美山法善寺という真言宗の大きなお寺が南アルプス市旧若草町加賀美にありますが、その末寺の古市場正宅山不動寺の更に末寺が真豊院です。「甲斐国誌」には「本尊観音堂(弍間三間)」とありますから今と大きさは変わらないようです。小さなお堂ですね。今はコンクリートの基礎の上に新しいサッシの引き戸のついた宝形造りのお堂です。型板ガラスの戸で内側はうかがい知れません。大井氏の式部大輔信包法名新院殿徹翁幹透という方が当寺を「牌立?」したらしいです。

 なにもないなあ、と思いながら、それでもばかをかきわけ裏手に回ると、石の祠がちょっとでけありました。

 近くにある若宮八幡宮は、ここの氏神様かな?わたしの住んでる旧白根町飯野地区も氏神様は若宮八幡宮です。実家の氏神様も八幡様といってたな。近くに遺跡もあるようです。

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子らは桜かな。花見の頃に来たいです。その向こうは甲西中か大明小。

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お堂の裏手にちょっとだけ石の祠などがありました。

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若宮八幡宮。この地の氏神様かな。

 

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楽殿もあります。立派な神社です。

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近くには住吉遺跡というのがあるらしい。